ある異世界の路地裏で、女刑事のエマ・ルーナは自分の無力さに打ち拉がれて泣いていた。 そんな彼女の前に転生者の男が現れる。 エマの人生は転生者との出会いによって狂い始めていく。 男は『透明化』、『透過』、『変身』という信じがたい能力を持っていた。 その能力を利用したいエマは男を色香で惑わせ、自分のパートナー(捜査協力者)にする。 エマから「センタ・ワトソン」という名前をつけられる記憶喪失の男。 そして、法で裁けない犯罪者を追い詰めるため、エマはセンタの能力を使って証拠の捏造など手段を選ばない正義を実践していく。それは、地球での常識を覚えていたセンタに葛藤と苦悩をもたらすことになる。 エマは同僚のフラー・ガブリエルとセンタが恋仲になることを恐れ、彼を奪われないように誘惑する。 やがて、違法な方法によって犯人の命を奪っていくことでエマの人格は闇に染まっていき、増長する彼女の暴走にセンタは巻き込まれていく。 脚本形式の作品です。 (M)モノローグ (N)ナレーション ~登場人物~ エマ・ルーナ(20歳) 刑事裁判での敗北とセンタとの出会いが重なったことで、強すぎる正義感が歪んでしまい、暴走していくことになる。 大切な者を奪われた人に深く同情する心をもっている。一方、大切な者との縁をきった存在と一般的に認識されている犯罪者やホームレスに対しては軽視する傾向がある。 誰かの愛する者を奪った悪人を憎み、センタの能力を利用して犯罪者たちを追い詰めていく。 センタ・ワトソン 地球から転生した男。20代前半くらいの美青年の姿をしている。 記憶喪失で自分に関する記憶を失っており、エマに名前をつけられる。 『透明化』、『透過』、『変身』の特殊能力を持っている。 日本の一般的な常識は覚えているので、違法な手段を使って犯罪者を捕まえることにあまり気が進まない。 フラー・ガブリエル(21歳) エマの同僚で可愛らしい雰囲気をもつ綺麗な女性。 センタに興味を持ち、積極的に関わっていこうとする。 よくエマの隙をついてセンタに近づくので、エマからは一番嫌な敵だと思われている。 実は諜報員である。他者からは癒し系の女性のように思われて好かれるタイプだが、エマには底が知れない女として警戒されている。
読了目安時間:1時間3分
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