魔法使いたちが、かつて「神の業(わざ)」と言われたその力を隠して生きている現代。 力に溺れた者たちによって解決困難な事件が人知れず増えていた。 《第1章》 魔法犯罪の調査を生業とする如月 灯真(キサラギ トウマ)は、 同僚たちとの交流は最低限に、ただただ業務をこなす毎日を繰り返していた。 そんなある時、原因不明の瀕死状態だった女性の命を救う。 目を覚ました彼女は自分のことを「エルフの母体」であると口にした。 彼女との出会いによって、灯真は己の過去と向き合うことになる。 そして彼の周りにいる人々もまた、如月 灯真という男との交流により 目の前に現れた新たな道に足を踏み入れていく。 その先が、世界の大きな変革の渦であるとも知らずに…… 《第2章》 世界的な企業でもある「ネフロラ」…… 力を隠して生きる者たちのために作られたそこで 稲葉 光秀(イナバ ミツヒデ)は失った視力を魔法の力で補いながら日々仕事に励んでした。 家族にも力の存在を隠し、あくまでも一般人として生きることを選んだ光秀だったが ある事件をきっかけに、そして己の過去との邂逅に新たな選択を迫られることになる。 《第3章》 15年前……世界各地に現れた謎の光の柱。 それと同時期に行方不明となった少年少女たち。 いなくなった家族を探し苦悩するものたちがいた。 どれだけ疑いをかけられようと愛するものを信じ続けたものたちがいた。 今明かされる、『門(ロド)開放事件』の真実。 半年間誰も見つけることのできなかった被害者たちは、一体何を見たのか……。
読了目安時間:12時間53分
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