花帆(かほ)は大学への進学を機に一人暮らしを始め、同級生の名都(なつ)と出会い意気投合する。 独特の感性を持ち、奔放ながら時に儚げな陰りも見せる名都に振り回され、惹かれていく花帆。 やがてある事件をきっかけに名都は失踪し、花帆は心を閉ざして孤独な生活を送り始める。 翌年度の4月。2年生になった花帆は深夜の無人公園で独り名都を偲んでいると、凍えながら原付で街を徘徊する青年と出会う。 眞輔(ますけ)と名乗った彼とのちに校内で再会し、一学年後輩の新入生だったことを知る。 眞輔との交流を通し、徐々に周囲の人々へと視野を広げていく一年と、親友名都と過ごした褪せない記憶の中の一年。 現状と回想を交錯させながら過去と決別すべく、花帆はもがく。 青春にサスペンス要素を足した女子大生の鬱屈モラトリアムです。 ※「小説家になろう」と重複投稿です。
読了目安時間:4時間4分
この作品を読む