昔々、といってもそれほど昔ではなく、とある少年が幼い頃の話。 少年は、真面目で要領が良く秀才であった。 それが故に、母と父からはいつもいつも褒められていた。 小学校へ上がると同時に、塾へ通うようになり、学力を着々と身につけて行き、遂には高校数学に取り掛かっている程であった。 少年は、真面目で誠実だった。 故に皆の言葉を真に受けては、折れてそれでも懸命に生きていた。 しかし、中学に上がると、その身につけられた、秀才の所為で彼は毎日毎日いじめられる日々を送っていた。日に日にそれはエスカレートして、それまであった少年の心の余裕は段々と蝕んで、遂には、どうしてもいいか分からず、ただ、焦るばかり。 そして迷った挙句、非行に走ったのだったーー ーーそして彼が高校に上がる頃には 「よお……俺にも一本くれや……」 という、あらすじですが。 途中で止まって、続きを書こう書こう、書いてどっかの新人賞にテキトーに応募しようなんて思って手にかけていた小説です。 流石に熟成され過ぎたので、書かないのなら未完成でも上げちゃおうと思ったので、こちらに上げることにしました。 書いたのは鷺沢歩です
読了目安時間:1時間18分
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