瀬戸耀哉は大学を卒業後、 第一志望のIT企業に就職した。 忙しくも充実した日々。 仕事も生活も順調な瀬戸だったが、 そんな彼にはある言えない秘密があった。 それは、男が好きであるということ。 中学の先輩を好きになったあの日から、 ずっと隠すように生きてきた。 それなのに。 「俺、男が好きなんです。」 飲み会の帰り道。 暗がりで互いの顔はよく見えない。 「どうして俺にそれを…?」 気付けば会社で出会った1人の上司、 逢坂理一に秘密を打ち明けていた。 初めは自分を揶揄うための冗談かと疑っていた逢坂も、 瀬戸の真摯で真っ直ぐな姿勢に次第に惹かれていく。 自分に劣等感を抱える足の不自由な逢坂と、 小さな頃から何事も人並み以上に出来た瀬戸。 交わるはずのない2人が出会ったとき、 止まっていた時が静かに歩みを進める。 「俺、歩くの遅いから先に行ってて」 「いえ、一緒に行きます。」 歩幅もペースも違う。 それでも彼らはとなりを希う。 あの時から、多分、俺は貴方に惚れていた。 ――瀬戸耀哉《せと ようすけ》―― 22サイ。181センチ。 数ヶ月前に大学を出たばかりの社会人1年目。 口数は多くないが密かに女性人気が高い。 ――逢坂理一《あいさか りいち》―― 30サイ。172センチ。 温厚で周りからの信頼も厚い瀬戸の上司。 お酒はそんなに強くない。 —――『BOYSFAN』 ――— BLコミック原作小説コンテスト お題『リーマン』にてエントリー中 初投稿になります。 感想等いただけると嬉しいです。 更新&お返事は基本、夜か休日に。
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