数千万年前にある星から発生した文明が進化し、ついに神の領域に到達しようとしていた。 しかし、踏み込んだその刹那、彼らは神の逆鱗にふれ、その文明は一瞬に滅ぶ。 その生き残りは再び神に挑む者たちとそれを止める者たちに別れていたが、 前者はこの世へのエネルギーを持てなくなったため他の生命体に託すことにした。 辺鄙な惑星に進化に耐えうる知的生命体がいることを察知したため数万年前に、 地球に”進化の種”を下ろすものの、それを止めようとした者たちは種を封印するため亜空間に追いやる。 しかし、亜空間に無理矢理”進化の種”をねじ込んだため、時空の歪みが発生してしまう。 その歪みをなおすために、一定期間に一度、人間が人柱となってその歪みを直す必要が出てきてしまうため、その役目を引き受けた人間の一族は自身の魂を封印に使用する契りを結んだ。 --- そして時は流れ 1994年、大切なものを失うことを恐れている主人公の伊水縁(いすい えにし)は、 祖父に勧められて冬休みにロシアのバイカル湖のほとりの村に滞在することになった。 バイカル湖、日本からは移動までに数日かかる、そこは幻想的な氷上の世界。 多くの生物を生み出し、冬であっても1年中太陽が降り注ぐ湖はどこまでも透き通っていた。 主人公は祖父に育てられた人の家にお世話になり、遠く離れた土地での生活も次第に慣れていく。 今を守少女と出会った…。 未来を目指す少女と出会った…。 過去から旅立ってきた少女と出会った…。 やがて訪れる雪解けの季節までに、大切な冬を過ごしたい…
読了目安時間:14分
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