さあさあ歴史好きの皆様、BL大好きの皆様。 ここらで一つ『世界一有名なBLの物語』なんて如何でしょうか? その世界一有名なBLの物語とは、ローマ帝国最盛期の皇帝ハドリアヌスと、その愛人アンティノウスの恋愛劇にございます。 謎多きこの物語を、狂言で描写してみました。 【狂言remix Series】の【第七弾】としての狂言は『鞍馬参り』『飛越』『老武者』の三番立。 あらすじ パックス・ロマーナ。――時代はローマ帝国の最盛期たる五賢帝の時代。 その五賢帝の一人、ハドリアヌス帝。この皇帝は、その五賢帝の中でも異色であった。 それは彼が地中海世界一円を領したローマの隅々にまで、皇帝自ら出向いたことである。 そんなハドリアヌス帝には、一人の恋人がいた。 アンティノウス。まだ声変わり前からハドリアヌス帝に仕える、絶世の美少年。 これは二人がアテネに滞在した頃から始まる、悲しき恋の物語。 【以下、コンテスト用ネタバレあらすじ】 序幕。ハドリアヌス帝は、ある祭りに恋人を誘う。そしてその最終日、恋人は一人でハドリアヌス帝を警護する。 一夜明けアテネへの帰り道。昼頃に目覚めたハドリアヌス帝は、戯れに作詞を行い恋人と共にそれを楽しむ。 二幕。舞台は移動してハドリアヌス帝はアレキサンドリアに至り、ナイル川を遡上する旅行を計画していたためそこで妻を待つ。 妻が到着したその日もハドリアヌス帝は恋人を訪ねるが、恋人に妻と話をするよう促される。 ハドリアヌス帝とその妻との間には長くわだかまりがあったが、その晩は二人でそれを解く。 三幕。別の日、ハドリアヌス帝は恋人と共に狩りへ。そこで恋人が獅子に襲われるが二人は協力して討伐する。 四幕。ハドリアヌス帝はナイルの中流域いにある都市近郊の川港に宿泊、そこで近くの神殿の神官をもてなす。 その後、ハドリアヌス帝は恋人共に就寝するが、少しして恋人は一人で喉の渇きを潤すため寝室を後にする。 寝室を出た恋人は建物の外が騒がしい事に気付き事情を聞きに行くと別の神官が謁見を願い出ていた。 事態の収集を図るため恋人はその迷惑な神官を別の建物でもてなし酔わせて眠らせて追い返す。 その後帰り道、突然と去る。 次の朝、ハドリアヌス帝は恋人が隣に居ないことに気付き捜索するが、分かったことは彼が去った事のみだった。
読了目安時間:1時間21分
この作品を読む