USA帰りの青年精神科医、春名と、その秘書だという少年、仁――。 それぞれに過去を抱える二人が、日本の総合病院の一角たる精神科病棟で、或いは行く先々で、ボーダーラインの向こう側にいる人々と出会う。 可ではなく、不可をつけられた人たちと、春名はどう向き合い、接するのか。 何か事情がありそうな少年秘書と、青年精神科医の一話読みきりシリーズ。 大雑把な春名と、小舅のような仁の前に現れる、今日の患者は……。 Karte.1 自己愛の可不可-水鏡 自分たちは二人で一つだという一卵性双生児の兄弟は……。 Karte.2 超心理学の可不可-硝子 彼女が傍にいる時にガラスが割れたり、珈琲カップが突然砕け……。 Karte.3 沈黙の可不可-声 声が出なくなった幼子の心にある傷は……。 Karte.4 児童精神医学の可不可-他人 他人と関係のない世界に住む子供たちとの関りは……。 Karte.5 多重人格の可不可-交代 いつもおどおどとした青年が、仁の失踪に関わっている……? Karte.6 不老の可不可-眠り 嵐の中で辿り着いたロシアの城に棲む伯爵とは……? Karte.7 吸血鬼の可不可-血 シカゴで起こった美少年連続殺人の犯人は、被害者の血を啜って……。 Karte.8 青い鳥の可不可―迷走 もっと自分に相応しい場所があるはずだ――そんな彼の青い鳥はどこに……。 Karte.9 民俗学の可不可―奇習 皆、狂っている……そんな手紙を寄越した民俗学者の行方は……。 Karte.10 天才児の可不可―孤独 高い知能や特殊な能力を持つ子供を集めたギフテッドスクールで出会ったのは……。 Karte.11 黒魔術の可不可―悪魔 隣人がどんどん自分に似て来る――そんな患者の訴えは……。 Karte.12 性同一性障害の可不可―違和 女の子の恰好のままだと笑われるから――泣きじゃくる彼は……。 Karte.13 籠の中の可不可―夜明 かごめかごめを謡う少女が見た殺人と、隠されていた秘密とは……。 ※2013年06月14日~別PNで小説家になろうに掲載していたものです。 ※現在はアルファポリス・エブリスタ重複投稿。
読了目安時間:17時間7分
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