七夕の語源と言われる棚機津女。 その棚機津女が水神に捧げる織物を機屋に籠って織っていると、機屋の外に彼女を見つめる男の姿があった。彼は水神と偽って棚機津女と契りを結ぼうとしていたのだ。しかし優柔不断な彼の心の内には様々な葛藤があり、なかなか棚機津女に声を掛けられない。そうこうしているうちに棚機津女はうとうとし始め、ついに眠りに落ちる。それと同時に消える機屋の中の蝋燭。男はそれに乗じて機屋の中に忍び込み、棚機女に近づく、けれどやはり手を出せない。葛藤の中、棚機女が目を覚まし男の存在に気付く。 *実際の棚機津女の伝説を参考にしましたが、大きく改変しております。
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