「およ?もしかしてやっくん?」 「…………もしかして……かれん、ちゃん?」 再開は唐突で、自然で、衝撃だった。 八生鳳貴の初恋相手は同い年の幼馴染み、桐生歌恋だった。しかし、歌恋の引越しにより2人は離れ離れになってしまう。それでもしばらくは手紙のやり取りが続いていたが、今度は八生の父親が逝去し八生も引越したことが切っ掛けで文通も途絶え、八生の初恋は淡い思い出となる……はずが、運命の悪戯か2人は5年越しに偶然にも再開を果たし、美少女になった歌恋を見て八生の心は再び大きく揺さぶられる。 歌恋の2つ下の妹、詩織は憧れであり、密かに想いを寄せていた相手と思わぬ境遇で再開する。自らの感情を再認識した詩織はこの想いを相手に告げようと決心する。 重度のシスコンである歌恋は、大好きな妹を意中の相手と結ばせようと秘密裏に画策する。だが、妹が奪われていくように感じた歌恋は行動と気持ちに綻びが生じ、焦りばかりが積もって行く。そんな中、歌恋はとある突拍子な発想を思いつく。 八生と歌恋、そして詩織を中心に周りも巻き込んだ学園ラブコメが今ここに幕を上げた。
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