完結済みです。(20話+1話) あまりハラハラしたりイライラしたりせず、安心感を持って読める王道な話が好きです。 前に描いた作品のスピンオフですが内容はリンクしていないので単体で読めます。 伯爵令嬢のコレットは悪意から立てられた醜聞のため社交界から遠ざかっている。 そのせいもあり、18歳になっても婚約者が決まらない状態を両親は何も言わずにいてくれた。 コレットは一緒に育ち兄と慕う従兄弟のロランに長いこと片想いをしていた。 しかし昔は優しかったロランも、コレットの想いを知ってか今は冷たく家にも寄り付かなくなっている。 必死に隠していた想いはコレットが思うほど隠せておらず、その想いに気づいたロランに豪雨の中で「気持ち悪い」と切り捨てられ激しく傷付いた。 それでも想いを捨てられず心の奥に隠したまま、たまに帰るロランを一眼見ることをコレットは密かに楽しみにしていた。 そんな折、ロランが自領を受け継ぐ話を知る。 ロランの出身は隣国であり、領地を受け継いだらこちらに戻ってくることはほとんどないだろうと思いコレットの気持ちは暗く沈んだ。 時期を同じくして、コレットの醜聞の元凶となる相手から婚約の申し入れが届く。 不愉快で嫌だけれど、自分に選択する権利はあるのか、いつまでも一人でいるわけにはいかないし、不毛に兄を想っていてもしかたないのではないか。と揺れるコレット。 ロラン以外の人なんて誰でもいいようにも思えた。 そんな気持ちを抱えたまま母親の勧めで北にある隣国の、ロランの領地を見に旅立つこととなった。 兄が暮らし守っていく領地を見ることはコレットにとって楽しみでもあり、しかし兄の婚約者に会う可能性に恐怖心も覚えるのだった。
読了目安時間:1時間23分
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