麻耶優は、現代日本の高校2年生の男子学生。 小さい頃、川端で記憶もなく倒れている所を、子供のいない夫婦に助けられ、幸いにも後に養子になった。 優しく裕福な両親。優しい友人達。 順調な学生生活。 悩みと言えば、最近両親が心配性気味なのと、そろそろ進路の事を考えないといけない事。 優自身は自覚していないが、麻耶君は、女子よりキレイだから普通の女子はびびって告れないと言われ、未だ恋愛経験ゼロな事。 そして、小さい頃からよく見る夢。 暗闇の中、地面に刺さる、妖しく強い光を放つ抜き身の刀を取ろうとすると目が覚める。 ある日、又その夢で優は朝目覚めるが、いつもそんな日は汗だくで起きて、一日ボーっと気が入らない。 その日、学校からの帰路途中で、昨日の豪雨で水位の増した川に子供が溺れていて、優は咄嗟に助けに飛びこむ。 なんとか子供を岸に上げた瞬間、今度は優の足が動かなくなり、溺れて流されてしまう。 どれ位経ったのか、今度優が目覚めると、布団に寝かされた彼を、昔話に出て来るような格好の老夫婦が心配そうに見下ろしていた。 川岸で倒れていた優を、どうやら助けてくれたらしい。 そして、よく周囲を見渡すと、まるで江戸時代のような風景。 まさか、これは、漫画とかでよく見る異世界なのか? いつか覚める夢だと思っていたが、 過ぎて行く時間が優を絶望させる。これからどうすればと悩みながらも数日後、暖かい陽射しの中、咲き乱れる桜に見惚れ佇む優を、遠くから見張るように眺める4人の若い男がいる事に優は気づか無い。