18歳の時に上京した片里早紀は幼い頃に犬を飼っていた。ある日上京してまだ間も無い頃、少し心が寂しくなり、ペットショップに立ち寄る。そこで出会った茶色い毛とつぶらな瞳が特徴的な犬に一目惚れ。犬の名前をポチと名付けて、その日からポチとの生活が始まった。ポチとの生活は慣れない事ばかりで悪戦苦闘の日々が続いた。次第に早紀は疲れ果ていく。そんな中で早紀が仕事が終わり自宅に帰ってくるとポチが黄色い液体を吐いて倒れていた。早紀は慌てて動物病院を駆け回った。その後、無事に助かったポチと自宅に帰り、早紀は脱力してしまう。「なぜ自分がこんな思いをしなくてはいけないのかと」考えた時にポチが早紀の側に擦り寄って来た、早紀はポチの温かさに触れ、ポチを抱きしめた。そして、心に決めた。二度とポチに寂しい思いはさせないと。そこからの早紀はポチと共に過ごす事を第一に考えた日々が始まった。そして、ポチを初めて飼ってから10年が経ち、ポチが亡くなった。 ポチのお墓の前で呆然と立ち尽くす。ポチの居なくなった心の穴を抱えたまま、誰にも気づかれ無い様に気配を殺して歩く。けれど、何かにぶつかる、そうして、顔を上げて出会ったのが茶髪でつぶらな瞳の男に出会った。 とこんな感じで始まった。私とポチの物語。私がポチ(犬)のお墓の前で立ち尽くした時に出会った、ポチ(人)との出会い。どこかズレてるポチとそれに振り回される私。そして、私の友人やポチの大切な人と繰り広げられる物語。
読了目安時間:13分
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