刻は二十世紀初頭の大正時代。 我楽多(ガラクタ)が溢れ返る探偵事務所を設け、私立探偵を営む『恵比木 雪人(えびき ゆきひと)』。 見た目は弐捨歳にも満たない、うら若き文學青年だが、政府御墨付きの名探偵で在る。 そんな雪人の元に、壱ツの【奇譚】が迷い込んだ。 依頼主は語る。 『近隣で起こっている猟奇殺人事件は、彼の有名な猟奇殺人鬼【切り裂きジャック】の亡霊の仕業だ』とーー。 「恐らく『切り裂きジヤツク』の名を借りた通り魔で御座いましょう。……此処は大正之世ですよ」 そう 一蹴する雪人だが、依頼主は絵空事ではない証拠があると宣う。 其処で雪人は漆黒の外套(インバネス)を翻し、片割れ月も微睡む夜半頃に、殺害現場で亡霊を待つ事にした。 異國の殺人鬼の亡霊など、果たして有り得るのか? 真相は如何に――? ――どうぞ、御手を拝借。 大正浪漫奇譚の世界と洒落込みませう。 ※2020年7月31日をもちまして、完全に活動停止致します。(詳細は『裏街あかりの活動日記』とプロフィール欄にて記載しております) 大変恐縮なのですが、8月以降に頂いたコメント・スタンプなどの返信は出来ません。申し訳ございませんが、あらかじめご了承願います。
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