2080年、第三次世界大戦終戦。 人類は、自国・自身の利益の為に戦い全てを「無」に戻した。 勝者はおらず、残ったのは荒れ果てた地と朽ち掛けた資源、そして未来のない人類。 生き残った人類は、第二次大戦時に核が投下された国「日本」のみ。 如何なる状態でも、どの国にも援助を行わず他国からは後ろ指を刺されていたが、 各国の情勢が悪化するにつれ、人々は日本という存在を忘れ自国の滅亡の道を歩んだ。 終戦後、生き残り限られた資源の中で生活していた日本であったが、 歴史は悪い方向に繰り返す。 協力し合い、少しでもより良い生活を共に生きようとしていたはずが 一つの事件を元にまた一歩滅亡の道を歩むことになる。 きっかけは関東圏で15歳以下の男女が、毎日100人以上姿を消すという事件が発生した。 理由は不明。犯行手口・時間も不明。 関東圏全域を捜索するも被害者の姿は一人も見つからなかった。 被害者が、2000人を超えたあたりで関東圏統括本部に一つの音声データが届く。 「・・・・・関西圏を・・調べて」 雑音交じりの音声で、部分的に聞き取れない場所もあったが、 今回の事件に関与してる可能性があると判断し、 関東圏統括本部は関西圏統括本部に支援・調査を要請した。 数日調査結果を待ったが連絡がなく、不審に思った関東圏統括本部は調査隊を派遣した。 5日後、1メートル四方の木箱と共に一通の手紙が本部に到着。 手紙の内容は 「本日をもって関西圏統括本部は日本国を独立する」という文面。 届いた木箱をあけると5日前に派遣された調査員達の顔のみの亡骸だった。 関西圏のクーデターにより関東圏は対策チームを立ち上げ制圧を試みる。 準備されていたかのような関西圏の抵抗により、状況は悪化し内戦状態となる。 理由の分からない拉致事件と関西圏の独立、武力の抵抗。長期に渡る内戦。 関東圏は関西鎮圧・原因究明の為に部隊「deleter」を発足し対抗するのであった。
読了目安時間:2時間17分
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