神器。それは神が作ったとされる奇跡の道具。その全ては、今は|碧き水晶星《ラピスラズリ》と呼ばれている世界が、まだ地球と呼ばれていた頃にかつて歴史に名を残した偉人や罪人の名が付けられている。神器を使っていない時は人の姿をしているが、一度その名を口にすれば姿を変える。ある神器は剣となり、ある神器は銃となり、ある神器は人に宿って魔法と区別のつかない力を与える。 主人公の綾辻カレンは、イギリス、ルネサンス時代を代表する芸術家、別名『万能人』と謳われた偉人『レオナルド・ダ・ヴィンチ』の名とその能力を持った神器、個体名『ゼーレ・ダーヴィンシー』と共に旅をしていた。ゼーレと旅をする際に姉妹の方が都合がいいからとゼーレ・綾辻・ダーヴィンシーと名乗らせている。 ある町でカレンとゼーレは、ヘンリー・ルーカスという罪人の名を持つ神器を持つ人物と会う。その人物は完全に神器に飲まれており、衝動的に殺人行為を繰り返していた。殺されてたまるかとカレンはゼーレの真名のレオナルド・ダ・ヴィンチを使って倒すも、どこかからそれを見られていたのか他の神器持ちや万能の神器を欲する人に狙われるようになる。ゼーレを狙ってくる連中をなんとか撃退しつつも、別の町にてチェスの偉人『ボビー・フィッシャー』の名を持つ神器の持ち主と遭遇。その人物はカレンを引き取ってくれた両親を殺した『覇王』項羽の名を持つ神器を持った人物とつながっていた。情報を聞き出すべくカレンとゼーレはボビー・フィッシャーの持ち主と激戦を繰り広げ、数の暴力に苦戦しながらも辛くもカレンが勝利を収める。しかしフィッシャーはどこに項羽がいるのか、何が目的でゼーレを狙ったのかは知らず、すべてを語りきる前に絶命してしまう。 両親を殺した項羽に復習するために、カレンは引き続き旅をする
読了目安時間:1時間16分
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