「奈々、作品紹介するわよ」 「作品紹介⁉ ナナ、そんなのしたことないんだ!」 「大丈夫。メインは私がやるから、奈々は適当に相槌を打ってればいいわ」 「それならできそうなんだ。うん、やってみる」 ♢ 「この作品は、女子校に通う猫宮奈々(ねこみやなな)と、私、織戸静流(おりとしずる)の人格が入れ替わってしまった時のお話です」 「どうして入れ替わっちゃったんだ?」 「私が階段で立ち眩みして、奈々がそれを支えようとしてくれて。でも支えきれなくて、一緒に落ちちゃったのね。その拍子に入れ替わっちゃったの」 「静流が重たかったんだ」 「重っ……体格差があるんだから仕方ないじゃない」 「おまっ、ナナのことチビって言いたいのか⁉」 「言ってないわよ! だいたい、私は奈々くらいちっちゃくて可愛いのがいいと思ってたんだから」 「ナナだって静流みたいにスタイル良くなりたかったんだ……って、話が逸れてるんだ」 「あら、いけない。軌道修正するわ。こほんっ、入れ替わって元に戻ろうとして、もう一度、一緒に階段から落ちるのよね」 「でも元に戻らなかったんだ。無駄に痛い思いをしただけだったぞ……」 「それで、元に戻れなかった私たちが戻るために悪戦苦闘するっていう……そんな作品ね」 「別に悪戦苦闘はしてないんだ。誇張なんだ」 「……そうね。思い返してみればそんなに大変じゃなかったわね。でも、元に戻るまでに少しずつ心が変化する。貴重な時間だったわ」 「うん。つまりこの作品は、ナナたちのちょっと不思議な青春の一ページって感じなんだぞ」 「そろそろ字数が無くなってきたわね。ナナが記録した私たちの大切な思い出、読んでくれた方にも追体験してもらえると嬉しいわ」 「わー! ナナが書いたって言うのは内緒なんだぞっ」 「どうせ文体でバレるんだからいいじゃない」 「うぅ……静流の鬼ぃ……」 (アルファポリスにも掲載中です。https://www.alphapolis.co.jp/novel/326405376/955432558)
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