冴えずしがない一般人学生である『黒峰(クロミネ) 暗治(クラジ)』は運が良いのか悪いのか偶然入手出来たVR型MMOARPG 『アルビニオン戦記』上で最強と謳われているプレイヤーアバター龍(ドラゴン)種を手に入れてしまう。 『クロルフ・シルヴァリィ』と名付けたハイスペック過ぎる龍アバターのおかげで暗治は瞬く間にトッププレイヤーの1人として君臨 出来た。 どんなプレイヤーとのPVPや魔物(モンスター)にも負けずオープンワールドの空を自由に羽き行くその姿から何時しか『龍帝』 という異名と『大魔王』という称号も与えられていた。 時には運営からその存在をゲームを盛り上げる為に上手いこと利用されたり他のプレイヤーから「最強災厄のチート野郎」と恐れ異端 視されながらも誰よりも自由にゲームを楽しむその姿は全ての関係者の心に感嘆と畏怖を刻み続けた。 そんなある日のこと何時もの様に暗治がゲームを起動してみると自身のプレイヤーアバターであるクロルフ・シルヴァリィの姿で彼は 異世界の地に降り立っていた。 元の世界への帰還など到底望めないその世界で暗治はクロルフ・シルヴァリィとして龍生活を始める。 ゲームの頃は味わえなかった本物の魔法や様々なファンタジー要素に包まれた残酷且つ不思議な世界で彼はやがて自分なりの在り方 を見付け出し本物の龍帝へと至る。 これは異世界でも大魔王にして龍帝と呼ばれることになる冴えない一般人だった少年の物語。