主人公の土屋隼人(二十三歳、会社員)は、小さな女の子の泣く声で目を覚ます。 気になって外に出てみると、迷子の女の子に困惑している、高校生ぐらいの美少女を見かけた。 土屋はその少女に声を掛け、一緒に女の子の両親を捜し始める――それが彼と、一六歳の美少女「天川美玖」との出会いだった。 彼女は、ふとしたことから土屋が自分の愛読書であるラノベの作者であると知る。 そして後日、彼の家を訪れた美玖は、 「……あなたは、私にとって、ずっと捜していた神様です……ようやく出会えました……なので、定期的にご奉仕、させていただけませんか?」 とよく分からないことを言い出だした――。 普段はおとなしい彼女だが、土屋には明るく振る舞い心を開く。 そこには、両親の離婚、激変した生活環境、諦めた進学と夢……多くの苦悩を抱え、苦しんだ末に、彼を神と信じ、奉仕することで無理矢理自分を変え、生きる意味を見つけようとする、けなげな少女の姿があった。 彼女の実の姉を巻き込んだ三角関係、会社員と一六歳の女子高生の恋愛という禁断の領域の果てに、はたして幸福は待っているのか――。
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