源氏が好きで関連書を読んでいるうちに、歴史小説を書いてみたくなって、初挑戦しました。実はこれは2作目。1作目は壮大すぎて完結できず途中になっています^^; ちょっと無茶振りなところはあるかもしれませんが、ご容赦ください。 <あらすじ> 三島大翔は、東映京都スタジオに所属する俳優の卵。だが全くの無名で役者だけでは食べていけず、アルバイトを二つも掛け持ちする生活を送っていた。今年はちょうど源頼政公の八四〇回忌にあたり、ひょんなことから頼政の「鵺退治」を題材にした二時間ドラマに、頼政が最も信頼を寄せる家人、井早太役で出演することになった。頼政役は同じ事務所の大御所俳優、間宮礼史。そのマネージャー周子に頼まれ、京都のゆかりの地を巡りながら、鵺や頼政について調べてるうちに、その背景には、天皇の外戚を巡る藤原忠通・頼長兄弟の恐ろしい陰謀が隠されていることを知る。 一方平安時代、近衛天皇は毎晩恐ろしい物の怪の影に怯えていた。しかし忠通は、その物の怪が見えずに悩んでいた。祈祷しても一向に消えない物の怪に、とうとう痺れを切らした近衛天皇は「物の怪の正体を暴き退治せよ」と忠通に命じた。そこで白羽の矢が立ったのが、大江山の酒呑童子討伐や土蜘蛛退治の伝説で知られる、源頼光の子孫、源頼政だった。失敗すれば死罪は免れない。見えない敵に打つ手立てがなく、途方に暮れていた頼政は、早太の提案に乗り、神の教えに背くとんでもない方法で「鵺退治」に挑むことにしたのだった。 大翔は、礼史と周子とともに鵺の正体に迫っていくと、そこには『陰陽道信仰』や『古事記』の神話などが複雑に絡み合う、驚くべき真実があった。 頭はサル、体はタヌキ、尾はヘビ、手足はトラという鵺の本当の姿とは? 忠通が仕掛けた罠とは? そして、平氏を裏切った頼政の武勲を讃える話を『平家物語』に残した意味とは? 平安時代と現代が交錯する歴史ミステリー。
読了目安時間:1時間4分
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