ジルコ王国の軍事警察署で働く20歳の娘、メレンケリ・アージェ。 彼女の右手には触ったものを「石」にする力が備わっていた。触れたら最後、全てが石になるまでその力は止まることはない。そのため、取り調べを受けるために捕まえられてきた男たちの脅しとして、彼女の力が重宝されていたのである。 「祖父も、父もしてきたことだから」 それがメレンケリの口癖だった。彼女は自分が軍事警察署で働くことは、家系的に義務のようなものであり、「石にする力」を容疑者の真相を暴くため「脅し」として使うことも納得していた。 しかし、彼女は西の王国サーガス出身の青年、グイファスと出会ったことで彼女の考え方が変わる。 石にする力は、本当に人を不幸にすることにしか使えないのか。石にしてしまったら、本当に二度と元に戻すことができないのだろうか。 人とは違う特別な力を持った、メレンケリのお話。 *こちらは2019年8月30日に完結した『灰色の花』を元に改稿したものです。 *カクヨムさんでも投稿しています。 *適度に更新。(火曜日と金曜日に更新していましたが、難しくなってきたのでエピソードが溜まったら更新しています。2022.3.1) *随時、細かいところを修正しています。
読了目安時間:4時間56分
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