頭が狂ってしまいそうな程に退屈な日常だった。 ただ学校と家を往復する毎日。勉強も遊びも恋愛も一通りはやってみた。それでも、やはりどうにも退屈に思えて仕方ない。 誰かが、何でもない普通の生活こそが本当の幸せだと言う。しかし、そんなのは刺激を味わい尽くした後だからこそ言えることだ。私はまだこの平穏無事な生活が幸せに思えるほど、刺激的な日常を送ったことはない。花の青春時代をこんな詰まらない日常で終わらせたくはなかった。だからずっと探していた。この退屈な日常を変えてくれる刺激を。 そして、私はようやく見つけた。 雨上がりの湿った夜。塀の上に胡坐をかいていた雪のように真っ白な長髪が特徴的な妙齢の女性。背中を丸めて膝に肘をつき、口には火の点いていない煙草を銜えている。出で立ちから一目見て風変りだと思わされるのに、それだけではなかった。彼女はなんと右手に竿を持ち、水溜りで釣りをしていた。 ———— 不定期更新(目標は毎日) ストックほぼゼロ 設定もプロットも何もない完全見切り発車作品 もう何かよくわかんないけどなるようになれぇー!
読了目安時間:52分
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