時は大正。 戦時中の大日本帝国では、機械産業が盛んだった。 生産されていたのは、貴族や華族に向けられた機動召使(オートマタ)。 彼らは人々の生活を助け、陰では戦いに身を投じられていた。 これはまだ、「人」と「機械」と「神」が共存していた時代のお話。 ********************************** 華族の西園寺 眞子都(さいおんじ まこと)は、厳しくも優しい両親と使用人に囲まれて暮らしていた。 しかし突然、芸妓との浮気が発覚し、父が蒸発。しかも財産を持ち逃げされてしまう。 娘しかいない西園寺家は家督が継げず、このままでは家計は傾くばかり。 許嫁の高千穂 総一郎に助けを求めるが、 父が浮気した娘は要らないと婚約を破棄されてしまった。 総一郎には他に愛人がいたのもあり、その口封じに母を娶られてしまう。 代わりにと渡されたのが男性型機動召使のⅡB‐SA(ツービー エスエー)だった。 ひとりと一体は、静かな西園寺家でひっそりと暮らすことに。 『ツバサ』と名付けたそれは、肩甲骨から白い翼を背負っていた。 天使を象られ、神の声を聞けるのだと豪語する。 【大正ロマン×SF】 少し不思議で、ほのかに優しい。 愛を知らない者たちの、それぞれの表現の形。 人は機械を、機械は人を、本当に恋い慕うことができるのだろうか。 これは歴史の澱に埋もれた、真実の愛を求める物語。 ********************************** ※こちらの作品は「小説家になろう」様、「カクヨム」様、「魔法のiらんど」様でも 公開しています。
読了目安時間:3時間35分
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