純白の花束
綾乃花
現代/その他ファンタジー
短編
2話
9,818字
2020年11月10日更新
豊崎百合は花を吐いた。比喩とか誇張表現ではなく本当に花を。 これは都市伝説として噂されている花吐病だと、彼女はそう考えた。けれど一つだけわからないことがある。 恋の病気だと言われているこの病気になぜかかったのか、という事だ。彼女自身に思い人はいるが、友情なのか愛情なのか自分でもよくわかっていない。でも本当に恋ならば── 白澤由梨は花が食べたかった。比喩とか誇張表現ではなく本当に花を。 いつからか食べているものの味をあまり感じなくなって、辛い夢ばかり見るようになった。 どうしてだかわからない。 病院の先生に紹介されて向かった奇病専門の精神病院で、彼女はこう診断された。 花食病──花を食べてしまう病気、だと。 けれどそれはただの花でなく、花吐病患者の花を食べてしまいたくなるらしい。 どちらの病気も両想いになるまで、完治はできない。 彼女たちの恋は叶うのか、それとも── ※自サイト、アルファポリスでも公開中の作品です。
読了目安時間:20分
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