今で無い時代。遥か遠い星。 不具合を起こしたアンドロイドを抱えて、少年は修理工の老人を訪ねた。 「このバグはな、宿命と言っていい。おそらくね」と老人は言い。 そのアンドロイド。ヴァイオレイド型に搭載されたAIについて、語り始める。その前に。 「この話をどう受け取るか。それは分からない。それでも、君にこの話を聞いてほしい。……どうだ?」と少年に尋ねた。 大切にしているアンドロイドを直したい少年は、その物語に耳と、心を傾ける事にした。 それは遠い遠い過去であり。 遥か遠い、青き星。地球の物語であった。 物語の中心にいたのは、二人の男女。 男は電子工学を学び。女は自然を、生命の営みを愛した。 彼らは出会い。ヴァイオレイドAIは、そんな男女二人によって、ある種の奇跡のように生まれた。 ただ、その全てが美しかったわけじゃない。 そんな話を、誰が。どう受け取るのか、分からない。 けれど、確かな事として言えるのは。 これは、未来の物語でありながら、かつてから脈々と受け継がれゆく、永遠の命の詩でもある事。 漠然としていた価値の一つが、急速に形を得て。 いずれ、全人類がその手で直に触れる事となる。 これから語る。二人の生き様が「永遠」によって結ばれてゆく様から。 その運命の意味を、自らの力で導き出すまでの、奮闘の記録として。 その全てを届けられたのなら。 あなたが何者であるか。 その、小さな手掛かりと、なり得るかものしれない。 あるいは……。 ※2023/02/14 ・総合日間4位 ジャンル日間1位 週間2位をいただくことが出来ました。 お読みいただき、ありがとうございます! この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
読了目安時間:38分
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