明け方を指す「カハタレドキ」ーーそれはやがて、二人にとってかけがえのない時間となっていった。 高校一年生の三学期、寮替えに伴って、2号館寮長の高森と同部屋になった小野田。 小野田は、幼いころ骨折してまで自分のことを救ってくれた日花里を、いつか自分がヒーローとなって守りたいと思っていたが、自分の兄と日花里が結婚し実家で同居を始めるのをきっかけに寮のある鐸明高校へと入学し、いまだに恋愛にも興味を持てずにいた。 一方、高森も彼女がいないようであったが、実は前年に同室だった同性の先輩を好きだったようだという噂を聞き、小野田はそれが本当なのか気にするようになっていく。 小野田のランニングのために毎朝ふたりきりで過ごす時間を重ねるうちに、二人の仲は徐々に縮まっていくが…… 小野田目線で語られる、高校の寮での日々の物語。
読了目安時間:7時間32分
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