セカンド
ミール
現代/その他ファンタジー
短編集
3話
12,528字
2022年8月19日更新
あいつの名が一つの奇跡。 その人を見るだけで。 名前を聞くだけで。 明日と言うあいつの名前を聞くだけで。 嫌気が差す。そんな自分へ苛立ちが。 そんなあいつを見たことを後悔したのはいつのことだったか。 あいつを憎むようになったのはなぜなのか。 そう思っていた明日が今は待ち遠しく思う。 そんな自分に・・・を刺すため前に。 そして、もう一人の俺は俺である。 そして今日。 俺は今まで憎んでいた明日になった。 去らば、今日。 去らば、俺。 去らば、去らば。 希望を知らぬ者よ。 俺は今まで人を信じることを憎み苛立ち哀れんでいた。 そして昨日。今まで嫌気が差した明日を信じることにした。 明日もまた生きている俺を信じることにした。 周りにいる人を信じることにした。 それがきっと、きっと……。 俺を明日へ導いてくださると信じて。 ………………………………………………………………………………………………… やっと一人 明日にやってくることができる人間が増えたな。 ああ、そうだな。 やっと一人だ。 長いようだが短かったな。 ああ、一ヶ月とは短かったな。 人を一人信じるまで。 あと一歩 歩を進めたらどうなっていたのだろうな。 後一歩進んでいたらあいつは病で死ぬ運命だったんだ。 対人恐怖症という直すのが困難な病に。 …………………………………………………………………………………………………
読了目安時間:25分
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