※義肢の技術があるので、悲壮感はないですが、受けの左腕と左脚を欠損する表現があります。 ※やしろさんの「紅(くれない)の深染(こそ)めの心、色深く」(https://novelup.plus/story/110287458)と、『自分の命に価値を見出せない天才と、それに惹かれたひと』を題材を同じくして書いています。 あらすじ 前編: 医学技術の進んだ国、バルテン国は、その技術を狙われて長く戦争の中にあった。 大陸に広がる疫病の特効薬が開発されれば、それを交渉材料に戦争は終わる。 特効薬開発をしていた研究医のエリーアスは、特効薬が出来上がる前に前線の軍医として徴兵される。 前線で部隊を率いていたのは、22歳の若く美しいギルベルトだった。 成り行きでエリーアスはギルベルトに抱かれるようになる。 体だけの関係と割り切っているはずなのに、ギルベルトの時折見せる幼さや危うさにエリーアスは彼が心配になる。 戦争終結寸前に起きた自爆テロで、ギルベルトを庇ったエリーアスは左腕と左脚を失って前線から街へ戻される。 病院を退院して家に戻ったエリーアスを待っていたのはギルベルトだった。 後編: アードラー家という将軍の家系に生まれたギルベルトは、兄弟たちからも父親からも愛情をもらったことがなく孤独だった。 孤独な彼の心を溶かしたのは、前線に来た軍医、エリーアスだった。 戦争が終わってギルベルトはエリーアスの元に押しかけて一緒に暮らし出す。 戦争で左腕と左脚を失ったエリーアスのために、ギルベルトはできる限りのことをしようとする。 料理を覚え、車を運転し、エリーアスを護衛するギルベルトのことを、エリーアスは愛してくれているとばかり思っていたのに、アードラー家に邪魔されないように牽制しに行くつもりでプロポーズすると、同居を解消しようと言われる。 ショックのあまり家を飛び出たギルベルトが、紛争地帯に出陣しようとするのを止めてくれたのはエリーアスの弟のユストゥスだった。 ユストゥスに言われて、ギルベルトはエリーアスに大事な言葉を伝えていないことに気付く。 愛を告げたギルベルトをエリーアスも受け入れて、二人は結婚して幸福に暮らすのだった。 ※お題フリー
読了目安時間:3時間21分
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