皇后の毒殺を謀った大罪人として、聖女アメリアは斬首刑を言い渡された。 一体何がいけなかったのか。 幼い頃に聖女の力を授かり、治癒魔法で怪我や病気に苦しむ大勢の人を助けてきた。 自分を犠牲にしてでも、国のために尽くしてきた。 ――それなのに。 断頭台の前で跪き、アメリアは後悔の念に駆られていた。 ある日突然魔力を失った彼女は聖女としての立場をなくし、婚約者だった皇帝エルドからも婚約破棄を言い渡される。 そんな彼が新たに婚約者に選んだのは、入れ替わるように聖女としての地位を手に入れたアメリアの妹、マルティナだった。 しかし、自分が魔力を失ったことも、エルドから婚約破棄を言い渡されたことも、皇后となったマルティナの毒殺を謀った悪女として処刑されるように仕向けたのもすべてマルティナの策略だったことを知り、アメリアは絶望する。 このままじゃ死ねない。 マルティナに、復讐するまでは。 煮えたぎるような怒りの中、アメリアの意識はプツリと途切れた。 次に目を覚ましたのは、自分がまだ伯爵家の長女として過ごしていた頃に使っていた部屋の中。 しかもどういうわけか、10歳の頃にまで時間が巻き戻っているらしい。 マルティナへの復讐を果たすことを決心したアメリアは、とある計画を立てる。 エルドの弟で第二皇子だったノア・ウィルベインは、皇帝の素質を高く評価され、兄を差し置いて最も有力視されていた人物だった。 しかし彼は恐ろしい魔女の呪いを受けて塔の中に幽閉され、15歳という若さで命を落とす運命にある。 だから二度目の人生では、絶対にノアを死なせない。 アメリアは彼の呪いを浄化し、彼が次期皇帝に即位するための協力者となることを決意する。 ---------------- 【作者が考える作品のセールスポイント】 1.主人公を貶めた悪役が徐々に追いつめられていくスカッと展開 2.ヒーローと共闘し復讐に身を投じる中で、ヒーローに溺愛されていく恋愛要素 3.守られるばかりじゃない、自分で運命を切り開く強い女性主人公
読了目安時間:1時間45分
この作品を読む