グッドウィン公爵家次女として生を受けたカテリーナは、物心がつく前から理由の分からない違和感を抱いていた。 時折、自分が自分でなくなるような妙な感覚。 「社畜な自分に淑女なんて向いていない」「豪華なコース料理よりも焼肉が食べたい」という、普段では考えたことがない思いが突然、頭の奥から浮かんでくるのだ。 その違和感の理由が分かったのは、十三歳の時。いわゆる、前世の記憶が蘇ってからだった。 前世の記憶によると、自分の立ち位置は悪役令嬢。 悪役令嬢の自分は、いずれヒロインに婚約者を奪われて婚約破棄され、破滅するのだと理解した。 破滅回避のために、次期王太子と目されている婚約者、ランドルフ王子に婚約を解消をしてもらおうと考えるも、何故かヒロイン候補のルルには懐かれてしまいうまくいかない。 離れようとする度に距離を縮めてくるランドルフの行動も、ルルの行動も、カテリーナが意図していなかったおかしな方向へ向かうのだった。 タイトルそのままの話です。 悪役令嬢未満のヒロイン。カッコイイヒーロは不在です。 *一話に詰め込むのは長くなるので、話を区切っています。他サイトにも載せています。
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