襄陽《じょうよう》は水陸の交通の要だ。 戦乱の世が訪れるたび、必ず争いの的となる。 こたび、ここで語るのも、襄陽を巡る宋国と金国の戦の記録である。 主人公の名は、趙萬年《ちょう・ばんねん》という。 身が軽く騎射を得意とする、18歳の宋の武人だ。 趙萬年は、敬愛する義兄・趙淳《ちょう・じゅん》の率いる武装集団「趙家軍」の一員として襄陽に赴くが、圧倒的な大兵力を擁する敵軍の前に、籠城を余儀なくされる。 襄陽には兵力が足りない、食糧が足りない、矢も砲弾も足りない。 けれども、人々の知略と胆力があり、堅固な城壁と守り為す大河があり、地の利と人の和がある。 「オレたちは負けねェ! 死に物狂いでこの城を守れッ!」 2019.9.30-11.12 19:00更新 ―――――――――― 関連: 【漢文超訳】襄陽守城録―最前線に着任したら敵軍にガチ包囲されたんだが―
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