スターゲイザー
1P
現代/その他ファンタジー
長編
27話
63,075字
2023年9月24日更新
――人間には星空という”まやかし”が見えるらしい 誰かがそんなことを言っていた。 空高く浮かんだ大地、「星上園」は天使たちが住む場所だった。 そんな中の一羽、フォルンは、まだ400才にも満たない幼い天使だった。そんな彼は唯一の幼馴染、ハニエとともに長らく暮らしてきた。 しかし何をやっても優秀なハニエとは反対に、フォルンは類を見ないほどのポンコツと、落ちこぼれ呼ばわれされる毎日を過ごしていた。そんな二羽(ふたり)の差は埋まることはなく、いつしか天界で暮らすハニエと、下界(地上)でこまごまと働くようになったフォルンは、長らく会うことは無くなってしまった。 そんなある日、下界に舞い降りてきたハニエと突如として再会を果たす。久しく会うことのなかった二羽は童心に帰り、夜も更けようというところまでしゃべり合う。しかし会話の一片で彼女は一言 「じゃあ私たち、人間だったら”恋人”ってやつだね」 愛という感情がないのが天使なのだから、きっと彼女は他愛もなくそう言ったのだろう。 しかしその言葉に大きく揺さぶられてしまったフォルンは、今まで幼馴染に抱いていた感情の正体にようやく気付かされてしまうのだった。 だがそれと同時に、天使にまつわるある言い伝えがあったことも思い出した。 ――天使は、恋に落ちると人間に堕ちてしまう そして、 人間には、天使の姿は見えないのであった
読了目安時間:2時間6分
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