宇宙には様々な路がある。 その宇宙は決して交わることはなく、特異点によって無数に増えていく。 この物語の宇宙では、スリープキャッチシステムという技術を使ったVRゲームが、VRゲームの特許を所有する〈サターンインダストリー〉という会社で運営されていた。 ゲームの名は〈セカンド・ユニバース〉。 第2の宇宙を想定し、可能性という世界を凝縮した、完全AI管理型の次世代ゲームだ。 このゲームにはその人の才能や個性によって〈スキル〉という特殊な能力が与えられる。 このスキルは十人十色であり、誰一人として他人と同じスキルを持つことはない。エフェクトの違い、効果範囲の違い、発動時間の違い。この世界では個性はスキルによって如実に露わとなるのだ。 そんな個性的でなんでもできる世界に憧れ、人類の多くがこのゲームに没頭した。 アバターネーム、〈エリヤ〉と〈アロウ〉もそんな人々の1人であった。 圧倒的な守りのスキルを持つ若干臆病なエリヤと、完璧な戦闘能力を有するアロウ。 2人はこのゲームのトッププレイヤーとしての地位を持ち、プレイヤーを倒しに倒しまくっていた。 そんな2人の元にある日、次回大型バトルロイヤルの報せが届く。 〈フィールドスキルバトルロイヤル〉と名付けられたその大会は、何でもフィールド自体に途轍もなく大きな特徴があり、今までにないスリルと興奮を約束するとか。 そんな大会に、この世界が大好きな2人が参加しないわけもなく。 2人は未知なる敵を殺すために指を鳴らすのだった。 圧倒的何でもアリなパロディー世界観とアクションで紡ぐVR殺し合いファンタジーここに開幕!
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