『創喚師』…それは自らの魔力を用いて『幻界』という真っ白な異界に漂う不定形の意思を召喚し、新たな身体と名を与えて使役する者達のことであるーーー それはさておき、そんなものとは全く縁の無い小さな村で暮らす内向的だが心優しい少年『マルク』。祖母の手伝いをしながら絵を描くことを趣味にしていた彼の正体は、若くしてネット上では神絵師と呼ばれながらも無念の内に病死した『神無月渚』という転生者だった。 気まぐれな女神の悪戯か、何の使命もチートなスキルも与えられなかったマルクは生前に喉から手が出るほど欲した健康な身体で第二の人生を満喫していた。 そんな彼が出会ったのは、何故か喋る不思議な本。『レティシア』と名乗る彼女(?)の力を借りて本に描いたものを幻界から召喚する創喚士の力を身に付けた彼は、ある出来事を切っ掛けに天涯孤独となったことから高名な創喚士である『リカルド=ヴォルテクス』の養子となった。 養父の勧めにより、マルクは自身の創喚術によって美しい女性の肉体を得たレティシアと共に養父が創設した創喚士の学園に入学することに。 しかし、そこは想像力豊かなマルクをもってしても全く想像の出来なかった魔窟だった。創喚士になれるのは一部の貴族のみ。所謂平民からの成り上がりとして貴族になったマルクは浴びせられる厳しすぎる身分社会の荒波と学園で出会う個性的な人々に翻弄されながら、時に心を折られ掛けながらも自身の目的のために卓越した想像力と画力を活かして生き抜いていく。 見習い創喚士になった神絵師の少年と独占欲強めな相棒の美女が織り成すラブコメバトルファンタジー開幕!
読了目安時間:55分
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