最終話
脱力
現代/その他ファンタジー
長編
34話
56,424字
2022年4月23日更新
そこにはまだ、何も無かった。 「さあ、世界の再起動を始めましょう」 と、神様のようなものが言った。 そこに存在していたのは、無差別に創作者に選ばれた矢吹という人間のメスと、加藤という人間のオス。最低限のルール、最低限の言語。 それ以外の全てを、それ等は、創作した。始まりから出来ていないこの世界は、儚き人間たちの悲しみ、種類の混ざった恐怖、どうしようもない憂鬱で満ちていた。それ等は、やがて、世を侵略していき、想像が目の前に現れてしまうようなバグさえ、起こした。メスの創作者矢吹は、この世に「終わり」というものを創ったため、何もかもを、いつか終わらせる必要があった。「運命」が決まっていた。 それ等は、この世界を何度も終わらせ、再起動しなければならなかった。
読了目安時間:1時間53分
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