沢渡真琴と有働光が出会ったのは、中学一年生の春休みのことだった。 同じ塾の他校の彼は、窓際の一番後ろの席で居眠りばかりしていて。 なのに、常に学年でも十位以内の成績に収まっている秀才なのだと言う。 「僕と交換日記しない? それか文通。どっちか選んでよ」 「なんで二択? スマホは?」 「持ってない。家の方針でね、高校入るまでは、って禁止されているんだ」 「そっか、そうなんだ」 ふとしたきっかけから、手紙のやり取りをすることになった二人。 一年経っても続いていたけれど、光はある秘密を打ち明け、真琴から離れようとする――
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