ファンタジーですが、魔法とかは出てきません。ただ、戦闘シーンは出てくると思います。殺し屋が生きているという状態を、生きる意味を問うお話です。あらすじどぞ。 「あたしはミア。冥土の土産に教えてあげるから、さっさと天国に届けなさいよ」 少女は、いつもの台詞と共に今日も仕事を完遂する。 月夜の怪物と恐れられる新進気鋭の殺し屋は、未だに無謀な夢を追いかけていてもおかしくないような年頃の少女だった。 彼女の名はミア。あどけなさの残る容姿に反して殺しの腕は一級品で、未だに依頼を失敗したことはないという。 その身一つで稼いで十余年。何人もの人間が自分の手で死んでいく様を目の当たりにしつつも、彼女は殺し殺されの世界から足を洗って普通の生活を送ることを夢見ていた。 それを実現するためにはたくさんの殺しをしなければならないというジレンマを抱えながら。 殺しから遠ざかるために、ミアは今日も無関係な他人の返り血を浴びる。今までも、これからも、毎日毎日……。 そんな折に、彼女は一つの依頼を請け負うことに。いつものように早々と終わらせるべくターゲットに接触するミアだったが、その体にはある秘密が隠されていたのだった。 決して相容れてはならない二人が出会う時。凍り付いていたはずの歯車が歪に狂いながらも回り始めるのだった。 「幸せでごめんな。幸せなのに死にたくてごめんな。死にたいのに死ねなくて……ごめんな」