残酷な吸血鬼伝承を信じるならば、私は恋を知ってはいけない。 "恋は身を滅ぼす" それなのに、未知なる感情は、私に多大なる期待とトキメキをもたらした。 "恋した相手の血は極上" 世にも甘い血を吸うために、私は今日も想いを馳せる。 運命のハニーブラッドを求めて、異性から吸血する。 《あらすじ》 生まれてから半世紀。何度も女子高生を繰り返している朝比奈 深緋(あさひな みあか)は不老長寿の女吸血鬼。 毎日24時間以内に異性から血を貰う事で、変わらない外見を維持して生きていた。 人間ではないため、"他人とは深く関わらない"をモットーにしていたが、深緋にやたらと好意的な男子、大路 白翔(おおじ はくと)が深緋の考えを根底から覆してしまう。 女吸血鬼に古くから語り継がれる伝承通りなら、恋愛は禁忌らしいが、その実を深緋は知らない。 白翔との両思いを自覚したあと。 恋した相手の血を三度飲めば、他からは永遠に吸血できなくなる事と、 相手の異性が死んでしまえば、自然と自分も後を追う事を知る。 抗えない運命を受け入れるしか無かった時。 共に暮らす祖母から"人間になる方法"がある事を知らされる。 大好きな白翔と一生を添い遂げるために、深緋は人間になる方法を探しに吸血鬼発祥の地へと赴く。