「かつて、この宇宙には水が溢れていて、生命体のはじまりも水の中にこそ……」 数えきれないほどの星の集団が化石となり、空間の大半を岩石が埋め尽くした、遥か未来の宇宙。 銀河系の集合構造、フィラメントの1つである"世界樹"。それはいくつもの星系国家の集まりであり、絡まり合う無数の枝のような知識ネットワークを共有している大コミュニティ。 偉大な科学者たちが築いた、宇宙で最大の叡知の領域。 その"世界樹"の、とある田舎惑星で生きていたミーケは、思い出を失った少年。思い出から逃げてきた少女リーザと、今はふたりぼっち。短いけど長い時間を、一緒に生きてきた。 一方、小国家《アズテア》の姫であり地質学者のザラは、不世出の学者であった母が残した、この宇宙から失われたものに関する不吉な予言を研究していた。 その研究が、ミーケたちが旅立つきっかけ、そして直接的な全ての始まり。 伝説の大学者だったらしい変な占い師。古い時代のガラクタ船。失われた物質の研究記録。隔絶されたいくつもの領域。最初の知的生命体。空間を越える神々。水の錬金術師の記憶。 そして、≪虚無を歩くもの≫。 多くの出会い、多くの謎、そして恐ろしき敵。 それは全て、このユニバース(唯一の宇宙)の物語。 ・「小説家になろう」にも投稿してます
読了目安時間:17時間4分
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