令和六年。 遥か北、網走の地で一つの殺人が起きた。 犯人は……悪魔と呼ばれた無期囚……義央純。 刑期中の殺人により彼女は死刑となったが、許せぬ悪へ二度鉄槌を下した彼女を、一人の女は尊敬の目で送った。 ……それから何年が経ったのだろうか。 地球から遥か遠くの次元に存在する惑星、ダエモヌム。 その片田舎に暮らす少女、ジュリア・フィンブルヴェトル。 彼女は、幼馴染みのクレールと向かった港で一人の女に出会う。 名は、マルコシアス。 彼女はそう……伝承に名を残す、悪魔そのものであり……。 同時に、後に魔王フィンブルヴェトルと呼ばれるジュリアの師匠となる存在だった……。 悪魔は世界を救わない。 悪魔は倫理を気にしない。 悪魔は摂理を守らない。 だが、それでも悪魔は契約を交わすことで、相手の心を救う。 これは救世主の物語ではなく……屍山血河を築こうとも個人を救う者の物語。 悪魔流の救生譚。 【作者が考える作品のセールスポイント】 1.ダークファンタジー世界観での百合小説です、一対一の恋愛且つ男の割り込まない真摯な百合をウリとしています 2.世界救済や人類守護の大望を持つわけではない、飽くまで目の前の大事な相手や自己を守る願いを持つ者達の物語です 3.寡黙で優しい村娘から、悪魔と師弟になる事で残酷さと異形の姿を身につけていく主人公、といった二面性を持つ登場人物達
読了目安時間:3時間39分
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