この作品はロード・フォンディオスと並木朔桜のW主人公。 とある目的のため協力関係となった二人は 世界を巡り、文化を知り、多くの人と出会い 数々の困難に立ち向かう王道異世界冒険譚。 ――――――――――――――――――――――――――――――― この世界は神々の観察キッド。 四つの世界は扉で分かたれ、それぞれの文化、生態系でその生を謳歌していた。 魔界、六国の一つ。雷国の黒極の地。 魔人と人間の混血にして絶大な力を持つ王族の末、 ロード・フォン・ディオスもまた、その生の一つ。 高貴で身分の高い少年が自国の城の宝物庫を吹き飛ばし、荒し、暴き、 目に付く高価そうな財宝を懐に入れてゆくところからこの物語は始まる。 隠すように置かれた、質素で小さな木箱。 最奥にあったにもかかわらず、汚れもなく、埃も被っていない。 見た目とは裏腹に頑丈な作り。そして隠匿の結界がいくつも張られていた。 「これか……」 いかにもな木箱を掴み、手に魔力を流す。 ゆっくりはしていられない。騒ぎを聞きつけた兵の足音がすぐそばの廊下に響く。 中のモノが壊れないよう、慎重に手早く結界を破壊してゆく。 折り重なる結界はついに破れ、お目当てのモノとご対面。 それは小指に入るか否か程の、小さな銀色の指輪。 この城で一番の高価な品。何にも代えがたい特別なモノ。 指輪を手にしたロードは笑みを浮かべる。 「一体、何を考えておられるのですか! ロード様っ! 今ならまだ、処罰だけで済むはずです! さぁ! 王の元へ謝罪しに参りましょう!」 騒ぎを聞きつけて、続々と兵士が集まる。 「悪いな。もうこんなクソみたいな生活はうんざりなんだ、よっ!」 雷撃を放ち、城壁を破壊。 ロードは脱兎の如く、その場を飛び出した。 「俺は……この魔界とおさらばする……。 そして……必ず、なんとしてでもっ! ……探し出す!」 少年は固い決意を胸に走り出す。 それが長く、険しい 世界を巡る 物語の始まり。
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