青年リュートは傭兵団「銀狼の群れ」のメンバーの一人だった。 傭兵団は人類を守る組織の一つで、基本荒くれ者の集まりだが、この傭兵団だけは仲間うちの絆意識で「家族」を形成し、時には小馬鹿にしあい、時には全力で助け合うなどの他の傭兵団では見ることのない特徴を誇っていた。故に、誰もが仲間内で「裏切り」が発生するとは思ってなかった。 ある日の出来事、仲間の一人にお酒をたらふく飲まされたリュートは深く眠ってしまった。 翌日、目を覚ませば拠点には火の手が上がっていて、外に出ればたくさんの仲間が地面に倒れている。 その中で息をしている者は無く、遠くから聞こえる剣戟の音に導かれて近づけば、団長と仲間の一人であるガーディが戦っていた。 ガーディのそばには謎の四人組と、小脇に抱えられた妹がいて、リュートはすぐさま裏切りが起こったのだと理解した。 リュートは妹を取り戻そうと奮闘するがそれは叶わず、瀕死の重傷を負って谷底へ落とされてしまった。 しばらくの後、リュートが目を覚ませば、そこは病室だった。 彼は全てを失ったと理解した時、彼のそばに学院長と名乗る人物が現れた。 その人物は彼の事情を聴くと、彼に提案した。 リュートを学院所属の傭兵として雇う代わりに、君が求める妹の情報を集めて提供することを。 それを受け入れたリュートは、その人物が妹の情報を集めている間、後の未来に起こる魔物の大襲撃を防ぐために各地に派遣した生徒を呼び戻す依頼を受け、その人物達を探しに旅に出る。 ※俺TUEEEやストレスフリーの作品ではないのでご了承ください。
読了目安時間:5時間53分
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