それは兵器にあらず、凶器なり。 彼は守護者にあらず、破壊者なり 。 宇宙西暦21XX年。 人工太陽によって生かされているコロニー移民の末裔は、宇宙の秩序を維持するべく、星間治安維持機構(通称、星間機構)主導の下、自然界を流れる生命の源《エレメント》を利用し、繁栄を築いてきた。 同時に、星間機構は悪意のある異星人犯罪者や惑星土着の危険生物、ならびに有史以前から宇宙を蹂躙してきた旧き異形の支配者、すなわち古きもの…オールド・ワンの脅威に晒されてきた。 これに対抗すべく、単独で異形と戦えるパワードスーツが用いられた。 たった一機で戦艦一つ落とせる、この人型着用兵器とその使用者は機神もしくはマキナと呼ばれ、外宇宙へ調査に乗り出す宇宙科学技術学院、通称アカデミーにとっても、不可欠の存在だった。 そんな外宇宙調査団に所属する科学者、夏目蘇芳もその一人。夏目蘇芳は生み出したマキナ…ブラックスミスと共に、科学の世界で多くの偉業を為し得てきた一方、数多の異星人や古代種を抹殺してきた。 そんな彼が、現在研究と討伐のために移住した先は太陽系第三惑星、すなわち地球であった。 いずれは星間機構の連盟惑星にと叫ばれる、原生の自然と魅力ある文化に満ち溢れた青き星。 そこで蘇芳は何のために戦い、何を守るのか。