お葉さんの亭主・良庵はやぶ医者である。 それはもう、やぶ医者の中のやぶ医者と呼ばれる程にひどい野巫《やぶ》医者。 野巫医者とは、呪《まじな》いなんかで怪我や病気を治そうという怪しい医者の事。 けれど、お葉さんがお嫁に来てからというもの、どうもその評判に変化が見え始め、町の人もちらほらと、良庵の描く呪符を欲しがり訪れてくれる様に。 それというのも、良庵の女房・お葉さんは、実は上位の妖魔である妖狐だったのです。 その尾は六本、なんと六尾の妖狐。 お葉さんは効かない呪符を今日も効く呪符へと、せっせせっせと不思議な力を使います。 いつか自分の正体が知られやしないかとドキドキしながら日々を送る、お葉さんこと六尾の妖狐のお話。 ◇◇◇◇ 水曜と土曜の朝、週二回更新でのんびりやっていこうと思います。 良かったらちょこちょこ覗いてやってくださいませ。
読了目安時間:5時間35分
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