地中海に面した街エストゥアーリョ。この地を治める伯爵家の娘アマーリアは、女料理人ルーチェと密かに愛し合っていた。 だがアマーリアは政略結婚のために、山深い地モンターニュへと嫁ぐことが決まった。 相手は、父親ほどに歳の離れた辺境伯。 嘆くアマーリアを慰めるため、ルーチェは一つの小箱を旅立ちのはなむけとして贈る。 山での暮らしが耐えられなくなった時、開けるようにと言い添えて。 なにもできないルーチェに、たったひとつだけ残された愛の形。 嫁ぎ先での孤独な一ヶ月の後、アマーリアはついに箱を開けてしまう。 そこに入っていたのは―― ------------ ・ののあ様主催の自主企画「秋の夜長コンテスト」 https://novelup.plus/story/725973921 への参加作です。 ※七海美桜賞(審査員特別賞)をいただきました ・舞台が「なんちゃってヨーロッパ」(ヨーロッパ風異世界ではなく)を意図しているため、その他ファンタジージャンルを選択しております。 ・明白に百合を意図してはおりますが、結末が百合好きな方のお気に召すかどうか正直わからないため、「百合」タグはあえて付けておりません。 【セルフレイティング事由】 性描写はありませんが、夫婦の営みに関する言及が多々あるため念のためチェックしています。 表紙画像は、あさぎ かな様( https://twitter.com/Chocolat02_1234 )にいただいたファンアートです。 ありがとうございました!
読了目安時間:20分
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