高橋 俊太郎(たかはし しゅんたろう)は、新卒で入った会社を半年と少しで辞めて、転職活動をするも上手くいかずにフリーターとなっていた。そんな俊太郎は、クリスマスイブに科学者を名乗るーー五十嵐(いがらし)という怪しい男に〈世界を救うヒーローにならないか〉とスカウトをされる。五十嵐の脅迫によって、その怪しい仕事を受けることになった俊太郎は五十嵐の下で、同じく五十嵐にスカウトされたーー佐々木 健(ささき けん)と共に世界を救うことになる。 五十嵐が言うには、この世界には少しズレた時間で同時に進行する複数の世界があり、それらは運命に沿ってほぼ同じような未来を迎える。迎えなければならない。しかし、稀にクラッシャーという存在の影響で大きくズレてしまう世界が出来る。ズレ過ぎた世界は、終焉まで秒読みの〈廃世界〉というものになってしまう。その廃世界になりそうな世界が俊太郎達の世界で、それが俊太郎と健がヒーローとやらにならなければならない所以だった。 俊太郎と健は持ち前の身体能力の高さを活かしたパルクールや、ワープ出来る黒いチョーカーなどを活用し、日々の任務に臨む。全ての任務は、この世界の運命をだいたい正しい軌道に戻す為に行う。クラッシャーが無意識にズラした軌道を、別の些細なことをして直す。任務はいたちごっこの帳尻合わせなのだ。 ゲイである俊太郎は、自分とは違うところが多くて魅力的な健に惚れてしまうが、健はヘテロである為、その恋心をひたすらに隠しながら二人で任務へ向かう日々が続く。俊太郎がゲイであることは、うっかりか、わざとか――口を滑らせた五十嵐によって健も知ることとなる。俊太郎の想いには気付かない健だが、ハニートラップの任務から俊太郎のことを意識するようになる。 立て続けに指示される任務や、予想外の事件によって、自身の恋や相手の気持ちに向き合う時間も充分に取れない中、二人の恋はーーそしてこの世界はーー運命というシナリオが無視された世界で、前例のない未来を紡いでいく。 ◆『BOYSFAN』BLコミック原作小説コンテスト参加作品 【テーマ】②バディ 投稿頻度少しゆっくり中 ※R12くらいの雰囲気と不法侵入をするシーンがあります。セルフレイティングの暴力描写はストーリー上の犯罪行為を指します。 ※別サイトでも別PNで連載。
読了目安時間:3時間1分
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