*兄弟殺しのダークヒーロー 琥珀は唱えた。 「デナーリウスの証明!」 目の前で興奮しながら攻撃態勢をとっていた狼男は白目をむき、膝から地面へ崩れ落ちていった。 琥珀の足元にはおびただしい数の金貨が積み上がっている。 琥珀固有の呪術により、狼男の身体中を巡る血液が『金貨』に変化したのだ。 見た目は少年、中身は青年の烏良 琥珀《ウラ コハク》は、三貴神――天照大神、素戔嗚尊、月読尊の眷属として葦原国を守る役目を担っている。 時は現代。人間以外に【亜人種】が存在すると証明された世界。 人間と亜人種は互いに微妙な距離感を保ちながら生活していた。 しかし、一部の者たちは互いの存在を認め合うことなく、排除しようとその活動の場を広げ始めていた。 琥珀の仕事は警視庁から依頼される【亜人種】絡みの事件を解決すること。 それも、神々の力が弱まる逢魔時から黎明までの間。 琥珀には、仕事以外にもやらなければならないことがあった。 それは十数年前、自らの手で命を奪ってしまった兄弟たちの事件を調べること。 琥珀の手はいまだにその感触を覚えていた。 兄の、弟の、命が消えていく感覚を。 兄弟の死の裏にあるものは『人間至上主義者』たちの組織なのか。 それとも、『怪物の国』を作ろうともくろむ亜人種たちの仕業なのか。 琥珀は今日も夜空を駆ける。 愛する家族と、葦原国を護るために。 ☆★☆★☆☆★☆★☆☆★☆★☆ 【読者さんの眼精疲労を軽減させるために切断中】 ・一話あたり2,000~4,000字になるように改稿中です! ・改稿のためにキャラを増やし、さらに物語のボリュームもアップしました! ・一話につき1,500~5,000字分増えてます!