到底、自分の力量では五千文字という分量でまとめ上げることはできないんだな、ということを悟り、あの短編で切ったプロットを公開しつつ、同時に「まあ、短編って言ってもいいかもね」レベルの分量の作品を、期限としてはをHJ大賞2020後期に於いて自身の作品が審査に残っている間は書き続けようと思いました。 あくまでも手慰み兼暇つぶし兼練習用作品です。あまり過度な期待はしないで頂けると有難く存じ上げます。 ……さて、挨拶はこんなもんで。 元禄十四年三月十四日、南蛮紅毛の暦に直して1701年4月21日。赤穂藩藩主浅野長矩が高家である吉良義央に突如松の廊下にて刃傷沙汰に及んだ。世に云う「忠臣蔵騒動」である。事件の事はあまりにも言及されているので抄略するが、この時喧嘩両成敗として裁かず、浅野のみを裁いたことにより赤穂藩藩士が決起した。 本作品は、その赤穂藩の城下にて受け渡しの使者として赴いたある龍野藩士の目線より覗き見た、その騒動記の一つの提起である。当然ながら、本物語は物語である。事実関係は我々の世界とは異なるが、こういう展開もあったんじゃないかという、一種の戦争なき仮想史である。好評なようなので、本作品を先駆けとして仮想江戸時代なるものを現在、執筆中である。(仮想戦記的手法による、より強い江戸時代の育成方法と、その結果による大東亜戦争の勝利について。[story:440587642])そちらの方も覗き見ていただければ、幸甚の限り。 それでは、垣屋弾正忠七郎兵衛よりの視点である、私家江戸時代シリーズ第一弾、「私家版、忠臣蔵騒動記」開幕ー。 ……え?なんで垣屋なのかって?そりゃもう、「私家版」なわけですから好き勝手やるためですよ。それには史料の最も豊富な垣屋家が一番手っ取り早いからに決まっているからじゃないですか。垣屋家目線以外にも、いずれやりますよ。いずれね。
読了目安時間:20分
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