雇われ結界師のルディア(18)は、次期当主のアルフレッド様(28)に身分違いの恋をしていた。しかし、アルフレッド様には、既にミレディ伯爵令嬢(19)との婚姻が決まっていた。ルディアは、叶うことのない淡い恋を内に秘め、結界師としてグレイス・バーミリア侯爵家に仕えていた。 そんなルディアに執事のアデルバート(26)は、「お前の慕う想いは従者として間違っている」と指摘されてしまう。誰にも知られない様に気を付けていたが、執事として能力の高いアデルバートには、見破られていた。冷静で隙がないアデルバートは近寄り難く、洗練された立ち振る舞いは、そばに居るだけで常に緊張させられた。 ある日、アルフレッド様とミレディ伯爵令嬢のデートに付き添い、湖まで出掛ける事になった。ボートに結界を張り二人を見送っているとアデルバートに「そんな顔で見るな。お前と結ばれることは無い」と現実を突き付けられてしまう。「20歳までに自分の相手を見つけろ」と言われ「私はこのままでいい」と反発してしまう。「妾にでもなるつもりか」と詰め寄られ「アルフレッド様に近寄る女は、私が選別する」と身体を触られてしまう。感度だけを確かめると「素質はあるが色気もないお前では妾にすらなれない。諦めろ」とボート小屋に置き去りにされてしまう。熱を帯びた身体を鎮める事が出来ずに自分を抱き締めると壁に寄り掛かりジッと我慢し続けた。 数日後、領地の視察に付き添い馬車に結界を張るため同行すると、アデルバートと同じ馬車に乗る事となった。気まづい中俯いていると「この間は済まなかった」と謝られる。心配から腹を立ててしまったと弁明された。容姿や能力を褒められ、幸せになれると優しい声で断言された。少しだけ打ち解けると「あの後どうした?キツくなかっただろうか」と自分の行為で傷付いていないか確認された。ルディアは、あの時の自分の身体の状態を話すと「対処法を教えて欲しい」と懇願する。困惑するアデルバートだったが、「まだアルフレッド様の事を諦められないのか?」と聞き返される。「想い慕うだけなら自由」だと告げると辛そうな顔で「なら1人でも耐えられる方法を教えても構わない」と承諾を得た。 ルディアが思っていた内容とは違ったが、二人だけのレッスンが始まると普段見せないアデルバートの態度や表情に惹かれていくのを感じた。けど、今更どうすればいいの?
読了目安時間:1時間34分
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