不定期です! 本連載は一段落分の文章を書いて、それについて自分で批評を試みるものです。 文章は起承転結を含まない”小説中の一文”という体で書いていきますが、続ける中で「段落中にも起承転結はあるべきだ」と思ったならそこからスタンスを変更するやもしれません。 コメントでは私の文に対する批評はもちろん、140字という短い縛りはありますが、本連載に倣って文を送っていただいた際には、僭越ながら返信にてその批評などさせていただきたく思います。見る目を養うのも腕を上げる近道のゆえに。 皆様は”文体”というのをどれほど意識して書いておられるでしょう。 私はそもそも場面を思い描くことに集中するあまり、「不自然でなければいい」と極めて奔放にしてしまっています。 文体なんて読者の中に生まれる漠然としたイメージのことで、作者にとって重要な要素ではない、という意識があったのは確かです。 最近、かの『ゲド戦記』の作者であるル=グウィンの『文体の舵をとれ』という本を読み始めました。驚きです。文体とは作者が意図して組み立てるもので、その正体は韻文に近いというのです。何もラップのように文を繋げというのではなく、語感の話です。 あくまで散文の範囲に収まる中で語感を整え、文体を推敲すれば、それが次の文、また次の文へと意識を押し出す原動力へ変わると、『文体の舵をとれ』で語られています。そしてこの本には、読者が文体を整える練習をするためにいくつかの例文のあと”問題”が出されます。 本連載の目的とはズバリ、文体のリズムを意識して書く練習をして、私なりの”発見”を得ることです。 実のところ、ご存知の通り英語と日本語は言語としての仕組みがまるで異なります。ですから、文を作るのにかかる考え方も全く変わります。英文の技法が和文に通用するかというと疑問の多いところであるわけです。しかし”発見”はあるはず。 何より自分の文章が駄文なゆえにモチベーションが下がるという珍事は解決したいという思いが強いのです。
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